就職活動において新卒、転職問わず、大学職員はそこそこ人気がありますよね。
でも実際はどんな仕事なのか、あまりイメージが湧かない人も多いと思います。
そこで今回は大学職員として10年以上実務経験のあるひりゅーが、実際の仕事内容や、個人的に思う、大学に求められる人材についてお話しします!
皆さんの就職、転職先の一つとしてお役に立てれば幸いです。
仕事内容
-
法人部門
人事、総務、経理、庶務、施設、調査、経営等
法人部門は学校法人である大学全体の運営に関わる部門です。
大学を法人として適切に運営していくための部署となります。
経理や施設など、どちらかというと専門的な部署も多くあります。
ですのでこれらの専門的な経験をお持ちの方は、こちらで活躍できる機会もあると思います。
-
大学部門
教育、研究、就職、広報、産学官連携等
大学部門は主に教育に直接関わる部門です。
もちろん授業やゼミを通して、直接学生をするのは教員となります。
しかし最近の大学職員は、学生への周知や指導を通して直接学生と触れ合う機会もとても多いです。
具体的には
・教務関連の周知(履修登録、ゼミの募集等)
・学内外のプログラム告知(留学案内、各種イベントの告知等)
・就職活動相談(合同企業説明会の実施、就職相談、面接練習等)
・オープンキャンパス実施を通しての高校生との接触
・懲戒学生への指導
・奨学金の案内等
ですので、職員同士だけではなく学生とのコミュニケーション力も必要となります。
学習や就職を指導する時には、その知識ももちろんですが、今大学生の間で流行っているコンテンツ(SNS、アイドル、本、食べ物、観光地等)押さえておいた方が、学生との会話もスムーズになります。
大学職員に向いている人
-
学生と関わるのが好きな人
大学部門に配属されれば、基本的に窓口業務などで学生と接する機会が多くなります。一方でいつも学生と接しているわけではなく、会議の資料作成や分析、業者とのやりとりなど、仕事内容は多岐に渡ります。
そんな中でも学生対応は最優先されますので、学生が窓口に来たら一旦手を止めて、学生との話を優先させなければなりません。ですので、その根っこには、学生と関わることが好きでないと、中々気持ちの切り替えが難しいでしょう。
-
ある程度模範になれる人間性の人
教育業界で働くには、ある程度の所作や言葉遣い、気遣いなど最低限はわきまえておきたいですね。職員は教員ではないにせよ、学生を教育する立場にあります。完璧な人間である必要はありませんが(実際教員も完璧ではないので^^;)学生からの信頼を得られるくらいの知識や所作は身につけておきましょう。
新入生などは特に誰が教員で、誰が職員かは見分けがつきません。
なので大学にいる大人はみんな「先生」と呼ぶこともあります。
ただそれもあながち間違いではないと思います。
職員もしっかりとした人間でないといけないということですね。
-
一つの業務にこだわらない人
大学職員の採用は基本的に総合職採用です。なので定期的に人事異動があります。
特別に専門職として採用された人以外は、遅かれ早かれ異動があると思っておいてください。
ですので特に中途採用で前職の実績を買われて採用された場合でも、全然関係のない部署に異動になる可能性はありますので、心の準備は必要です。
大学職員に向いていない人
-
専門性を高めたい人
専門性は確かに大事ですが、先ほど言ったように、定期的に異動はあります。
経理がやりたくて大学に転職したのに!となっても、結局は組織の都合です。
特に組織として人につかない業務を目指していると、異動は当然あり得ます。
ですので専門性を活かすのであれば、その視点から誰がその業務をやってもある程度できるよう、仕組み作りやマニュアルの作成に視点を移すと良いでしょう。
その方が組織からの評価も上がると思います。
-
協調性がない人
大学職員の業務は、はっきり言って多岐に渡ります。
更に学内外の様々な関係者とやりとりをしますので、調整や根回し、確認作業など到底自分1人で完結する仕事ではありません。
ですので主体性を持って、協調性も保ちつつ、自分から先回りして関係者とやりとりをする意識が重要です。
教員との調整、学内の他部署との調整、旅行業者とのやりとり、学外関係者(企業、地方自治体、他大学等)、学内説明会の実施、出席確認、提出書類の確認&必要に応じて再提出、
-
いわゆる「事務職」がやりたい人
今でもたまに教員から「事務の人」とか「事務方」なんて言われていますが、もはや一言で「事務」という言葉では片付けられないほど、仕事量は多いです。
これまで大学はある程度行きたい人が受験する形が多かったですが、18歳人口の減少に伴い、大学全入時代に突入しています。つまりこれまで入りにくかった偏差値の高い大学も、それなりに入学のハードルが下がっています。
その影響で偏差値の低い大学や、学生募集に失敗した大学は、学校法人と言っても潰れてしまう世の中です。
なので単なる「事務職」ではもはやなく、学生指導や保護者対応など立派な「教育者」としての意識が必要になると思います。
現在の大学生の保護者の方は、ご自身が大学に行っていない場合も多いです。
そのため大学の仕組みが今ひとつ理解できず、高校の時のような手厚さがなくなり、納得できず大学に電話をしてくることもあります。
これから学生数が減少し、大学内でも業務を統合したり、外注することも出てくるでしょう。そのような変化の激しい中で、「事務の人」ではなく新しい環境に適応していける人材が求められると思います。
本日のまとめ
-
大学職員の仕事は大きく分けると法人部門と大学部門がある
・法人部門は大学の運営や経営、大学部門は学生の教育や教員の研究を担当
・大学部門は教育や教員の研究などを担当
-
大学職員に向いている人
→学生が好きな人、最低限模範的な人間性を持つ人、一つの業務にこだわらない人
-
大学職員に向いていない人
→専門性を高めたい人、協調性がない人、いわゆる事務職をやりたい人
確かに大学職員は営業さんのようにきついノルマがあるわけではなく、クビにもなりにくいです。しかし現在の少子化の時代、職員としても臨機応変に様々な能力が求められますので、思考も行動も柔軟に対応していくことが大学職員として求められます。
気になる方は是非大学職員も就職・転職先として考えてみてください!
それではここまでお読みいただき、ありがとうございました!
https://www.hiryu-tsubuyaki.com/studyplace/